数学的考え方4.docx
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数学的考え方4
数と式の指導
数の指導
教科書:
文部科学省編『中学校学習指導要領(平成10年12月)解説─数学編─』大阪書籍
中学校で導入される数の種類
小学校:
自然数,0,分数(新指導要領では分数の計算は軽減された)
中学校:
負の数,整数(正・負の整数と0),[無理数](平方根は扱うが,現行の指導要領では,「有理数」「無理数」という用語は中学校では使われなくなり,高校へ移行。
しかし,「発展的内容」として導入することは可能で,教科書に復活する)
高 校:
有理数,無理数,実数,虚数,複素数
負の数
負の数への拡張
負の数への数の拡張の仕方
(1)新たに符号+,-のついた数を考え,今までの数を正の数とし,aを+aと同一視する。
(2)まず新しい数として負の数を導入する。
そして,今までの数との計算の仕方を新しく定める
正の数・負の数と0
算数での「数」
正の数と0
負の数の意味
符号のついた数の意味づけ─ある種の状態を表す「記号」として導入
具体的意味づけ:
温度,海抜,利益と損失,直線方向の位置,直線方向の運動など。
負の数は,正の数の「反対」の状態を表す。
数学的意味づけ:
負の数は,加法に関する正の数の「逆元」
数直線の原点について正の数と負の数は,反対側に位置づく点
符号のついた数をベクトル量とみなしたとき,正の数と負の数は反対向きのベクトル量
負の数の演算
計算,操作の対象としての「数」とみる。
加法・減法の指導
指導例1 ベクトルの利用
正負の数を大きさと向きをもった量(ベクトル)ととらえる。
但し,向きは1次元。
加法:
ベクトルの和として,わかりやすい。
(注意:
矢線ベクトルは,矢印の同値類なので,原点を始点にもつ必要はない。
位置ベクトルとは同値類の代表元にすぎない)
b
a
0
a+b
減法:
大学の数学でいえば,ここでしているのは,(可換)「体」(たい,field)の構造をもつ集合として数を拡張しようとしている.加法と乗法が定義されている集合Kについて,以下の性質が成り立つとき,Kは体(たい,field)である:
(I)加法に関して,可換群をなす。
(II)加法と乗法の間に分配法則が成り立つ。
(III)加法に関する単位元(零元)を除いて、乗法に関して可換群をなす。
(可換群とは,ある代数系(G,・)に対して、以下の条件が成り立つときを言う。
(ア)結合法則が成り立つ。
(イ)単位元が存在する。
(ウ)逆元が存在する。
(エ)交換法則が成り立つ.
加法の単位元を0。
a+a'=0なるa'をaの逆元とすると,数学的には,減法は加法の逆元をたすことに帰着する。
aの加法の逆元は-aである.マイナスは符号であり,演算記号ではない.したがって,大学の数学では,
a-b:
=a+(-b) と定義される。
例えば,3-(-5)=3+(-(-5))である.そして,-5の逆元は5だから,3+(-(-5))=3+5
ゆえに,3-(-5)=8と結論できる.
しかし,中学校では,a-b=a+(-b) (「減法は,符号を変えたものを加える」)を事例から帰納する展開が普通である。
なぜなら,中学数学では群や逆元の概念を前提できないからである.小学校算数で学習した「引き算」の概念をなんらかの意味で拡張して,定義するのである。
小学校算数における減法の意味
(1)求残
ある集まり(もの)の中から,その一部の集まり(もの)が取り去られて,集まり(もの)の中身(大きさ)が減少した場合。
「ケーキが8個あります。
6人が1個ずつ食べます。
残りは何個ですか。
」
(2)求差
同時に存在する2つの集まり(もの)を比較して,違いを考える場合。
「校庭に男の子が7人,女の子が10人います。
どちらが何人多いでしょうか。
」
(3)加法の逆演算
・(正)-(正)
例:
(+5)-(+2)を求める
(+5)-(+2)=xとおく。
方程式は習っていないので,移項とかの考え方は使ってはいけない。
加法の逆演算としての引き算の意味から,(+5)-(+2)を求めることは,x+(+2)=(+5)なるxを求めることと同等であると考える。
+2を引く
+5-----------x
----------
+2を足す
xとして(+3)が条件を満たすことが,図から見てとれる。
従って,(+5)-(+2)=+3。
(条件を満たすものが唯一であると前提している)
さらに,図から,+3=(+5)+(-2)でもあることを確認し,(+5)-(+2)=(+5)+(-2)と結論する。
・(正)-(負)
例:
(+5)-(-2)を求める
(+5)-(-2)=xとおく。
加法の逆演算としての引き算の意味から,(+5)-(-2)を求めることは,x+(-2)=(+5)なるxを求めることと同等であると考える。
xとして(+7)が条件を満たすことが,図から見てとれる。
従って,(+5)-(-2)=+7。
さらに,図から,+7=(+5)+(+2)でもあることを確認し,(+5)-(-2)=(+5)+(+2)と結論する。
(図省略)
指導例2 加法・減法を大小関係を表すとみる考えの利用
正負の数の演算を,状態を表しているとみる。
例えば,5+(-2)は,「5より(-2)だけ大きい数」を表すと考える。
そして,「(-2)だけ大きい」とは,2だけ小さいと解釈し((-2)のマイナスの符号が後ろの「大きい」に作用して,反対の意味の「小さい」に変わるようにみえる),5+(-2)=5-2=3を結論する。
同様に,5-(-2)は,「5より(-2)だけ小さい数」を表すと考える。
そして,「(-2)だけ小さい」とは,2だけ大きいと解釈し,5-(-2)=5+2=7を結論する。
乗法・除法の指導
乗法は,同数累加の考え方から外挿するのが普通。
交換法則は前提する。
(負)×(正):
(-2)x3=(-2)+(-2)+(-2)=-6(加法に帰着)。
(正)×(負):
交換法則で,3x(-2)=-6も導く。
課題 スタンダール(フランス:
1783~1842)「アンリ・ブリュラールの生涯」より
「私は数学では偽善は不可能であり、少年らしい単純さから数学が応用されるすべての科学はみなそうだと思っていた。
しかし、どうして(マイナス)×(マイナス)=(プラス)になるかを誰も説明できなかったとき、どうしたらよいだろうか。
マイナスの量をある人の借金と考えたとき、10000フランの借金に500フランの借金をかけ、それがどうして5000000フランの財産をもつようになるか…。
」
この疑問にどのように答えたらよいか,論じなさい.
[15分間個別,または周りと話し合って自分の答えをまとめる.その後,自発的に発表するものを募る.誰も申し出ないときは,受講票からランダムに選んで指名して,黒板の前で発表させる.その後,発表について議論する.時間があれば複数の発表を聞く.
発表は,「中学生のつもりで,間違っても構わない.教員を目指すものは発表を練習する必要がある」ことを伝える.発表者には拍手を送る.
発表者名は記録をとり,評価に利用する]
負の数同士の乗法の理解しにくさはよく知られている.前述のように,日常言語では,正負を損得概念と対応させて,利益や財産は正の数,損失や借金は負の数で表したりする.すると,負の数同士の乗法は,「マイナスかけるマイナスはプラス」だからと,「損失と損失をかけると利益になる」あるいは「借金に借金をかけると財産になる」を意味することになるが,これは理不尽だ,と非難されたりする.
「損失と損失をかける」あるいは「借金に借金をかける」という話には,加法的な理解と乗法的な理解の混同がみられる.「損失に損失を重ねる」「借金に借金を重ねる」というのであれば,その結末は「大損失」「借金地獄」である.しかし,「重ねる」という行為は足し算なのである.同じものを繰り返し加えているのである.ところが,乗法というのは,(単位とする量)×([その量が]いくつ分(何倍))
という形式になっており,被乗数と乗数はそれぞれ意味が違うのである.借金に借金をかけることはできないのである.
負の数同士の乗法についてはいろいろと説明の仕方があるが,符号と演算記号を混同してしまったことから来る混乱も多い.たとえば,(+2)×(+3)は,算数の2×3と同じように考えて,「2を3回足す」というように解釈し加法を使って計算できる.では,(+2)×(-3)はどうなるか?
ある中学校の先生は,マイナス(-)がついているから,「2を3回引く」と解釈できるといった.すなわち,以下のように対応すると考えた:
記号表現 記号内容
(+2)×(+3)------------>「2を3回足す」(2+2+2)
(+2)×(-3)------------>「2を3回引く」
しかし,「2を3回引く」といったときに,何から「引く」のか?
その先生によれば,「0から引く」と解釈して(0-2-2-2)としたが,「0」は始めの式に書いていないので,やや苦しい説明である.符号(-)と演算「引く」とは全く別のことなのになんとか結びつけようと苦心した結果,混同してしまったようである.
先ほどの損得に関する乗法を,「(単位とする量)×([その量が]いくつ分(何倍))」という意味に合わせて修正してみよう.被乗数で扱う数量は,財産としよう.すると,乗数は,その財産の取得の回数としてよい.このとき,それぞれの場合の負の数についての意味は,正の数の意味の反対と考えて,次のように決めることができるだろう:
被乗数
乗数
プラス
財産
取得する回数
マイナス
負債
放出する回数
そうすると,たとえば,(-5)×(-3)というのは,5億円の負債を三回手放したというように解釈することができる.これは,金銭的には,15億円の財産を得たことと同じ効果がある.したがって,計算の結果は,(+15)であるべきだと納得できるだろう.
例1 数のパターン
(負)×(負):
(-2)x3=-6
(-2)x2=-4
(-2)x1=-2
(-2)x0=0
右辺が2ずつ増えていくパターンから,(-2)x(-1)=2,(-2)x(-2)=4・・・を導く。
そして,負の数と負の数のかけ算は,絶対値同士をかけて正の符号を付ける,とまとめる。
このパターンをベクトルで図示する場合もある.ベクトルで図示すると,整数以外の数まで予想できる.
<-----<-----<-----
<-----<-----
<-----
・
----->
----->----->
----->----->----->
例2 ベクトルのスカラー倍
(+1)x(+3)というかけ算の,初めの項をベクトル量,後の項をスカラー量とみなして,このかけ算を,「スカラー倍」の操作と捉えることができる.すなわち,(+1)x(+3)は,ベクトル(+1)を,それの矢印の向きに3倍したものと考えるのである.
+1
----->
(+1)x(+3)
----->----->----->
(+1)x(-3)は,ベクトル(+1)を,それの矢印の反対向きに3倍したものと考えるのである.
(+1)x(-3)
<-----<-----<-----
これは,数直線で,負の数を作るときに行なっている考え方であり,(+1)x(-3)で,ベクトル(-3)ができるはずである.また,実際,(+1)x(-3)=(-3)x(+1)=(-3)となっている.
初めのベクトルが負の数のときも,たとえば,(-2)x(+3)は,ベクトル(-2)を,その矢印の向きに3倍したものとなり,-6が得られる.(-2)x(-3)は,ベクトル(-2)を,その矢印の反対向きに3倍したものとなり,+6が得られる.
例3 移動の考え(東京書籍 1年)
東西にのびる一直線の道路を歩く場合をもとにする。
東への移動を正の数で,西への移動を負の数で表すことにする。
毎分60mの速さで東向きに5分間歩くことにする。
現在の位置から,現在より5分後には数直線上の図から東に300m移動する。
すなわち,
(+60)x(+5)=+300となる。
現在より5分前には数直線上の図から西に300m移動する。
すなわち,(+60)x(-5)=-300。
今度は西へ向かって毎分60mの速さで歩くとする。
これを毎分-60mの速さで歩くと考える。
現在より5分後は数直線上の図から西へ300m移動する。
すなわち,(-60)x(+5)=-300。
現在より5分前には数直線上の図から東へ300m移動する。
すなわち,
(-60)x(-5)=+300の移動をする。
例4 分配法則を前提
(-1)x{(+3)+(-2)}=(-1)x(+3)+(-1)x(-2)
左辺は,(-1)x(+1)=-1
右辺は,(-3)+(-1)x(-2)
従って,(-3)+(-1)x(-2)=-1でなければならない.そのためには,(-1)x(-2)=+2でなければならない.
または,0=(-1)x0=(-1)x(1+(-1))=(-1)x1+(-1)x(-1)=-1+(-1)x(-1)
(-1)を左辺に移項して,1=(-1)x(-1)
いづれにしても,形式不易の原理に従う。
※形式不易の原理
ピーコック(1791-1858),ハンケル(1839-1873)が数学,数学史の研究から指摘した。
「数を拡張するにあたっては,自然数で成り立つ計算法則
結合法則 (a+b)+c=a+(b+c)
(ab)c=a(bc)
交換法則 a+b=b+a
ab=ba
分配法則 a(b+c)=ab+ac
が,新しく拡張されたより広い範囲の数においても成り立つように数を構成する。
」
平方根
平方根の導入
現行の指導要領では,「有理数」「無理数」という用語は中学校では使われなくなり,高校へ移行した.無理数の存在:
数学史では,古代ギリシャのピタゴラス学派が,図形(正方形や正五角形)の辺の長さと対角線の長さの比を調べる中で発見したといわれる。
Irrationalnumberと呼ばれ,「理」はratio(比)を指すといわれている。
「万物は数である」という思想のピタゴラス学派は,すべての事柄を整数比で表そうとした。
図形の1辺の長さと対角線の長さとの比も整数比に表されると期待していた。
それが不可能であることを自ら発見してしまって,ピタゴラス学派を思想的危機に導いた。
平方根:
中学校3年生で導入される。
二次方程式の解をもとめるときに必要となる。
無理数がそこで現れる。
例えば,x2=aの解,すなわち2乗するとaになる数を考える。
a=4,9,16なら解がすぐ見つかる。
では,a=2の場合のときはどうか,という問題が現れるような設定でしばしば導入される。
2の平方根の存在の保証:
・面積が2となる正方形の一辺の長さ:
プラトン「メノン」に面積が2の正方形の作り方が書いてある。
1辺の長さが2の正方形の隣り合う辺の中点を線分で結んでできる正方形を利用する。
日本や欧州の製紙に関する規格では,A版,B版という規格が使われる。
これらの規格に沿った用紙は,2等分したときにもとの用紙の形と相似になるように作られている。
たとえば,B5版は,B4版に相似で,面積は半分になる.逆にいえば,B4版はB5版の2倍の面積をもつ.コピー機は,縦方向と横方向への拡大・縮小倍率が設定できる.通常は,縦方向と横方向へ等しい倍率で拡大・縮小を行なう.B5版の絵をB4版に拡大したいときは,面積比1:
2は相似比の2乗倍になるので,相似比は,1:
√2.したがって,拡大倍率は√2×100%,約141%に設定すればよい.
実際,短い辺の長さを1とおくと,長い辺の長さは2の平方根になる。
しかし,相似は中学校3年で学習することになっており,平方根を学習する時期にこの例を授業で利用することは難しいかもしれない.
1
√2
・2の平方根が無理数になることの証明:
通常,背理法(間接証明法)が用いられる。
関連する話題:
黄金比(レオナルド・ダ・ビンチが名付けたといわれる)
英語の小説などのペーパーバックの大きさに切った紙を2枚用意する。
片方の紙をとり,その短い辺を一辺とする正方形を切り取る。
その残りの紙片は,残りの紙と相似になっている(重ね合わせて対角線が揃うことから確認できる)。
これから,ペーパーバックの短い辺の長さを1とおくと長い方の辺の長さが,(1+√5)/2と(≒1.618)なり,横と縦の長さの比が黄金比1:
(1+√5)/2になる。
この比は,最も美しい長方形として芸術で用いられてきた.ペーパーバックの他,様々なパッケージ,350ml缶のラベル部分やコーヒー粉缶を正面からみた図などにみられる。
平方根の近似値:
現在では安い電卓でもルートキーがある。
平方根に意味を理解するために,たとえば,√2の値を求めるのに,√2は1.4の2乗と1.5の2乗の間,1.41の2乗と1.42の2乗の間,等々を確認しながら逐次近似していくことが大切である。
グラフ電卓のテーブル機能を利用できる。
平方根を含んだ式の計算:
和・差について,例えば,√2+√3を√5としてしまう生徒がみられる。
「簡単に」しようとする傾向がある。
数値を比べてみたり,両者を2乗してみたりして違うことを導く。
有理数と無理数の関係:
小数表現によって特徴づけることができる。
有理数は,分数に表すことができるので,循環小数になる。
無理数を表す小数は,循環しない。
例えば,0.202002000200002・・・。
式の指導
課題
問1 次の問題は,西暦400年頃の中国の算術書『孫子算経』にある問題(鶴亀算)である:
「キジとウサギがかごに入っている。
キジとウサギの頭を合わせると35あり、キジとウサギの足を合わせると94ある。
キジは何羽、ウサギは何羽いるか.」
この問題を、方程式を使わないで解く方法を2つ以上示しなさい。
解中国の古書には鶴亀算の解法として,
(1)足の数を2で割りなさい。
(2)そこから頭の数を引きなさい。
それが、ウサギの数である。
(3)その数を頭の数から引きなさい。
それがキジの数である
が記されている。
1キジが1羽のとき,2羽のとき,・・・と,表を作っていくやり方
2 すべてキジであると仮定すると,足は,35×2=70本しかないことになる.94より,24本少ない.この24本は,ウサギがいるためである.ウサギはキジより2本足が多いので,キジ1羽の代わりにウサギ一匹がいると,足が2本増える.24本増えるには,12匹のウサギが必要になる.そのとき,キジは,35-12=23羽となる.
3 すべてウサギであると仮定すると,足は,35×4=140本となり,94本より,46本多い.これは,キジがいるためである.キジはウサギより2本足が少ないので,46本減らすには,23羽のキジが必要になる.
問2 中国の『九章算術』に下記の問題(旅人算)がある.どんな方法でもよいから解きなさい:
「いま,甲は長安を出発して5日で斉に至り,乙は斉を出発して7日で長安に至る.甲が長安を出発する2日前に乙は斉を出発したとすれば,(甲が出発してから)何日で出会うか.」
[長安と斉との間の距離を知らなくても,解けるということが判明する]
文字式の構成要素
例:
「半径rの花壇の周囲に幅1メートルの道をつくったとする.道の面積Sはどう表されるか」
S=π(r+1)2–πr2
①数を表す記号
・数字:
0,1,2,...,
・特定の数を表す記号:
π
・「文字」(アルファベット記号):
a,b,c,A,B,C,・・・
「文字」として,ひらがな・カタカナ・漢字を使うことも可能かもしれないが,西洋で代数学が発展した歴史的経緯から,それらは使わない.
②演算を表す記号
四則演算記号+−×÷,べき,√など。
③関係を表す記号
=,≠,<,>,≦,≧など
④括弧
( )
「文字」の役割
①定数を表す
・特定の定数 π
・任意定数 関数「y=ax」における係数aなど,関数関係を表す式の中で変数と異なる定数を表す
・一般数
数を一般的に表す
例 交換法則 a+b=b+a
長方形の面積の公式 S=ab
②未知数を表す 未知の定数を表す
方程式2x+3=7におけるx
③変数 関数関係を表す式において様々な値をとる。
注意点
ア 任意定数と変数は関数関係の場面で相対的に決められる。
一次関数y=ax+bでどれを変数,任意定数とみるかは相対的。
イ 「代入」という操作によって文字は特定の数値をとるようになる。
ウ 未知数と変数の関係
方程式を関数的見方をすることによって,変数を含んだ等式とみることができる。
そのとき,未知数は変数になる。
例えば,2x+3=7を関数y=2x+3でyが一定値7をとるときとみる。
エ 文字の自由性
任意定数,一般数,未知数,変数を表す文字は,見方に応じて自由に変えうる。
長方形の面積S=abにおいて一般数a,bは変数と見ることもできる。
文字式の種類(言語との類比による分類.数学的表現は日常言語の省略表現に起源をもつことから自然な分類)
・フレーズ型(数学的対象,演算手続き,または演算結果を表す):
文節に類似
a+bの様に関係記号を含まない
・センテンス型(数学的命題を表す):
文に類似
関係記号を含む。
フレーズ型の式同士の関係を表す
文字式の効用
①簡潔に表現できる。
②事象の中の数量関係や法則のみを抽出して表現できる。
「リンゴがカゴに2つあります。
そこに新たに3つのリンゴを加えました。
」を「2+3」と表現でき,リンゴやカゴ等の要素を捨象できる。
③一般的に関係や手続きを表現できる。
公式が作れる。
例:
交換法則,結合法則,分配法則
展開,因数分解の公式 (a+b)2=a2+2ab+b2
これを日常のコトバでもしも表すなら,「最初の数と二番目の数との和の平方は,最初の数の平方,最初の数と二番目の数の積の2倍,二番目の数の平方の三者の和に等しい」となる。
これでは以下に見るような操作の対象とか新たな応用へと進めない。
④数量関係や法則そのものを操作の対象にできる。
単に表すだけなら,「数学科教育法」という長い科目名を「数教法」と省略して簡潔にしただけと変わらない。
数学的な操