ガイドの言叶遣い.docx
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ガイドの言叶遣い
第二課 お出迎え
【本文】
言葉は意思を相手に伝えるだけでなく、その人柄まで感じさせます。
ガイドの言葉遣いによってお客様の評価も変わりますので、仕事中は正しい言葉遣いをすることが大切です。
日本ではサービス業などで敬語がよく使われています。
敬語の種類は、尊敬語・謙譲語・丁寧語などがあり、状況や相手により使い分ける必要があります。
しかし、間違った使い方や丁寧すぎる使い方をして、お客様の失笑を買ってしまう事もよくあります。
正確に敬語を使い分けることはとても難しいです。
しかし、実践の場では形式的な敬語が使えれば、あとは基本的な「です」「ます」調の丁寧語で十分です。
お客様と接する中では、出迎えの挨拶、そして、お別れの挨拶など改まった感じの時には、尊敬語、謙譲語を使うよ評価があがります。
この挨拶は形式的ですので、文例を暗記しておいて活用すればよいでしょう。
では、実際にお客様をご案内する時には、どのようなことを心掛ければよいのでしょうか。
まず、言葉に心がこもっていなければなりません。
テープレコーダーのような話し方はよくありません。
文章から得た知識でも、それを丸暗記して話すのではなく、自分の言葉として消化し、話すようにしてください。
常に要領よく、分かりやすい言葉で話します。
お客様の反応を見ながら話し、お客様の関心を引き寄せるように工夫をします。
また、お客様が話されている時には真剣に耳を傾け、興味のない話でも誠意をもって聞きことが必要です。
一方、言ってはいけないことは、自分の会社や人の悪口、お客様の噂話などです。
そして、自国やお客様の国のよくない点や風俗習慣の違いで笑いを取ることもよくありません。
また、お客様はあくまでもお客様です。
どんなに親しみを感じても友達言葉や流行語を使ってはいけません。
話し方の要領としては、「ゆっくり」「はっきり」「わかりやすく」「大きな声」で「丁寧に話す」ことです。
また、重要なポイントは繰り返し説明することが必要です。
優秀な先輩ガイドの案内を聞いて、自分の話し方の参考にするのもよい方法です。
また、自分の観光案内を録音して聞いてみて、どこに問題があるのかチィックをすることも大切です。
小さな努力の積み重ねの結果が、優秀ガイドとしての評価につながります。
【会話】
よろしくお願いします
李:
もしもし、JTS東京支店でしょうか。
社員:
はい、JTS東京支店の山根です。
李:
恐れ入りますが、団体旅行部中国課の中村さんをお願いします。
社員:
かしこまりました。
少々お待ちください。
中村:
お電話変わりました。
中国課の中村です。
李:
お世話になっております。
私はこのほど「水墨画の世界桂林四日間の旅」を担当することになりました。
桂林国際旅行社の李凱堂です。
今回、このツアーは中村さんがご担当なさいますね。
中村:
はい、そうです。
どうぞよろしくお願いします。
李:
こちらこそ、よろしくお願いします。
さっそくですが、ご確認をお願いします。
中村:
はい、どうぞ。
李:
16日、CZの3236便、広州経由で桂林到着は17時20分ということでよろしいでしょうか。
中村:
はい、間違いございません。
李:
その後、人数等のご変更はございませんか。
中村:
ええ、ございません。
予定どおりの25人でお願いします。
それから、ちょっと李さんにお願いしたいことがあるのですが。
李:
はい、どのようなことでしょうか。
中村:
このツアーの参加者で、中国の田園風景を見たいというご要望が多いのです。
予定には入っておりませんが、漓江下りをした後、適当な場所はございませんか。
李:
はい、川下りをしましてから、市内へ戻る途中にちょうどよい風景がございます。
どこかに車を止めて、30分ぐらい見物していただくことで、よろしいでしょうか。
中村:
はい、それで結構です。
時間は30分ぐらいあれば写真を撮ったりできますので、十分楽しんでいただけると思います。
李:
はい、かしこまりました。
お客様のご期待に添うように手配いたします。
中村:
よろしくお願いします。
李:
桂林は、このところ急に涼しくなっております。
長袖も一枚ご用意しただけるよう、お客様にお伝えください。
中村:
ご配慮ありがとうございます。
李:
では、当日は早めに空港でお待ちしております。
中村:
ありがとうございます。
それでは16日、改めてお会いしましょう。
李:
お会いできるのを楽しみにしております。
【ガイド案内実例】
「水墨画の世界桂林四日間の旅」のお客様は、こちらへどうぞ。
全員まだお揃いでないようですから、
こちらで少々お待ちください。
お手洗をご利用される方は、その通路をまっすぐ行っていただいて、突
き当りの右側になります。
愛煙家の方は、構内が禁煙となっておりますので、ゲートを出ていただいて、
右手の喫煙所をご利用ください。
それでは、全員お揃いのようですから、簡単にご挨拶をさせていただきます。
お疲れ様でした。
私は
桂林国際旅行社の李凱堂です。
今回の旅をご一緒させていただきます。
どうぞよろしくお願いします。
さっそくですが、機内預けのお荷物をお待ちになって、そのゲートを出ていただきます。
そこで私ど
もの会社の荷物係が待っておりますので、お預けください。
右側の方へまとめて置いてくだされば結構です。
【関連表現】
01、すみませんが、このツアーの担当の方をお願いします。
02、申し訳ございませんが、時間の変更をしていただけないでしょうか。
03、ご希望通り3304の便に変更させていただきました。
04、車の件ですが、33人乗りのバスでよろしいでしょうか。
05、はい、スケジュール通りご案内申し上げます。
06、このツアーはベテランガイドをお付けしていますから、ご安心ください。
07、お客様のご要望によりオプションのご案内をさせていただきます。
08、お客様に喜んでいただけるようにがんばります。
09、ご滞在中、楽しく過ごしていただけるように努力いたします。
10、時間がある限り、一ヶ所でも多くご案内いたします。
11、是非、xxさんに相談に乗っていただきたいことがあるんですが、よろしいでしょうか。
12、個人的に相談したいことがあるんですが、今晩、お時間いただけないでしょうか。
第二課 お出迎え
【本文】
お客様に喜んでいただけるツアーにするためには、事前に当日の確認と準備を行うことが大切です。
準備が十分ですと、ツアーの案内が円滑にいかなくなり、お客様に迷惑がかかっていまいます。
空港にお出迎えに行く前に、次の基本的な点を確認しておきましょう。
まず、団体旅行予定表および各書類にもれなく目を通して(主催旅行社名、ツアー名、ホテル名、電話番号、部屋数、諸設備、レストラン名、食事内容、予約人数、運転手の氏名、バスの到着時刻、場所、バスのナンバーなど)、それらがきちんと手配されているかどうか確認します。
次に、航空会社に電話を入れて、フライト状況や到着予定時刻に変更がないかを確認し、お出迎えするお客様の現在の状況をつかみます。
それに基づいて不足する資料を準備して、ガイドの内容をお客様に合わせて修正しておきます。
準備が完全ならば心にも余裕ができ、よいガイドができます。
一方、下準備や予備知識がないままに仕事をすると、スムーズに仕事が運ばないばかりか、お客様の信頼を失う原因ともなります。
お客様は、期待と不安が入りまじった気持ちで到着されます。
そんな時、現地ガイドの一言と笑顔がお客様を安心させます。
逆に頼りない応対振りでは、不安を大きくさせてしまいます。
ガイドに対するお客様の評価は第一印象が最も重要なポイントです。
明るく丁寧お客様に接することを忘れないでください。
事前の確認ができてから、いよいよ空港でのお出迎えとなりますが、到着時間の30分前までには空港(またはお出迎え場所)に到着していなければなりません。
車両の駐車位置を頭にいれてから、お出迎えボードを胸の前に掲げ、到着をお待ちします。
出口から出て来られるお客様のシールや視線に眼を配り、すばやくお客様を見分けます。
そして「お疲れ様でした」「ようこそいらっしゃいました」などと、笑顔でひとりに声をお掛けしてお出迎えします。
次に到着人数を確認し、簡単な挨拶とお知らせを行います。
お客様の顔を確かめながら、明るくはっきりと行いましょう。
その後、添乗員と打ち合わせをして、車両駐車場にご案内します。
【会話】
はい、全員お揃いです
―――航空到着口にて―――
李:
恐れ入りますが、「水墨画の世界桂林四日間の旅」のお客様でしょうか。
伊藤:
はい、そうですが。
李:
添乗員の中村さんはどちらにいらっしゃいますか。
中村:
あ、中村です。
よろしくお願いします。
李:
お疲れ様でした。
私は桂林国際旅行社の李凱堂です。
ところで、お客様は全員お揃いでしょうか。
中村:
ええ、私が最後でしたから、これでお客様はお揃いだと思います。
李さん、少々お待ちください、ちょうと人数の確認をしますから。
……
中村:
はい、大丈夫です。
全員お揃いです。
李:
皆様。
よこそう桂林へいらっしゃいました。
私は今回、皆様の旅をご案内する桂林国際旅行社現地ガイドの李凱堂です。
桂林を楽しんでいただけますように精一杯頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
お客:
よろしくお願いします(拍手)
中村:
李さん、それではバスの方へご案内していただけますか。
李:
あ、中村さん、その前に大きなお荷物は、うちの会社の者にホテルまで運んでもらいますから、機内預けの荷物を一ヶ所にまとめていただけえませんか。
中村:
そうですか、助かります。
では、お客様のお荷物はどこにまとめておけばよろしいですか。
李:
そのゲートを出てすぐ右のところです。
荷物係がそこでお待ちしております。
中村:
はい、分かりました。
李:
お客様、機内預けのお荷物はここの置いてください、まとめてホテルまで別の車で運んでもらいます。
パスポート、財布などの貴重品はご自身で携帯なさいますようにお願いします。
中村:
…23、24、25個。
はい、李さん、預けるお荷物はこれで全部揃いました。
徳永:
添乗員さん、これ、機内預けの荷物ではないけど、ちょうと重いからホテルまで運んでもらえないかね。
中村:
はい、かしこまりました。
貴重品は入っておりませんね。
徳永:
あっ、貴重品は…そうそう、ここにありました。
中村:
李さん、荷物が1個増えましたから、全部で26個に変更してください。
李:
かしこまりました。
それでは、お客様をバスの方へご案内いたしましょうか。
中村:
はい、皆様こちらにお越しください。
【ガイド案内実例】
皆様、大変長い時間お疲れ様でした。改めてご挨拶申し上げます。
私は今回、皆様の旅をお供する、桂林国際旅行社現地ガイドの李凱堂です。
本日皆様の安全をお預かりするのは、劉蒲軍、運転歴15年のベテラン運転手でございます。
皆様の桂林ご来訪を、心よりお持ち申し上げていました。
桂林での旅が思い出深いものとなりますようりに、精一杯勤めさせていただきます。
また、何かご要望などございましたら、ご遠慮なく何なりとお申し付けください。
どうぞよろしくお願いいたします。
さて、皆様の手荷物、パスポートなど、身の周り品の確認をもう一度お願いします。
お忘れ物はありませんか。
お預かりしました大きなスーツケースは、弊社の荷物係がホテルまでお届けいたしますので、ご安心ください。
それでは、これより皆様をホテルの方へご案内いたします。
(早速ですが、これより観光名所のOOOへ皆様をご案内いたします)
【関連表現】
01、失礼ですが、添乗員の田中さんでしょうか。
02、お客様は全員お揃いでしょうか。
03、ここは禁煙ですので恐れ入りますが、ご遠慮ください。
04、お手洗に行かれる方はいらっしゃいますか。
05、ご縁があって皆様とお知り合いになれて、非常に嬉しく思っております。
06、今日あたりは大変冷え入んできおりますので、十分お気をつけください。
07、この旅を心から楽しんでいただきたいと思います。
08、予定以外で何かご覧になりたい所がございましたら、ご遠慮なくおっしゃって下さい。
09、予定に入っていなくても時間の限りご案内させていただきます。
10、今回、この旅をご案内させていただくxxです。
どうぞよろしくお願いします。
11、お帰りの際、航空券のリコンファームが必要ですので、一応お預かりさせていただきます。
第三課 車内案内
【本文】
ツアー旅行は車での移動が多いです。
したがって、乗車案内、車内案内、下車案内などがガイドの重要な仕事となります。
ガイドは最低10分前に集合場所に到着し、お客様をお待ちします。
そして、お客様が車両に乗り込む前に座席の前方一列を優先席に、後方一列は安全確保のために空けていただくようにご案内します。
お客様の乗車が終わり、車両が動き出す前に必ず人数確認を行うように心がけます。
これはもっとも大切なことなので、習慣づけるようにします。
車両が動き出したら、当日のスケジュールをお知らせします。
車内禁煙の場合は、「車内は禁煙となっておりますので、愛煙家の皆様のご協力をお願いいたします」などと、お客様のご理解を得ておきます。
観光名所に着く前に、あらかじめバスの中で観光内容を説明しておきます。
それ以外にも時間に余裕がある場合は、お客様が退屈しないような工夫が必要です。
例えば、車窓から見える風景や、地元の風土人情の説明などを行います。
実際、お客様の中には当地の習慣や、文化に興味がある方がいらっしゃいますから。
特徴のある風景がない時でも、事前にその地方のことを紹介でくるように下調べをしておきます。
状況に応じては会話の形や質問の形をとって、その場がしらけないように心がけることが必要です。
話題は北京オリンピックから、中国の教育制度、所得、恋愛結婚、宇宙飛行など、お客様の興味がありそうな内容を選びます。
お客様に楽しんでいただけるように努め、全体のムードがよくなるように気に配ることが必要です。
また、車内で交わす会話により、逆にお客様から教わることも多くあります。
それが新たな知識となり、ガイドとしての成長にもつながります。
注意するべき点としては、特定のお客様だけは会話が偏らないようにすることです。
常に全体に目を配り、お客様の反応を確認しながらお話を進めましょう。
また、お客様がお疲れの時には、逆に何も話さずに静かな時間を保つようにすることも必要です、要はいつでも、お客様の身になって考え、接することです。
【会話】
ぜひご一緒しましょう
李:
それでは、これからのスケジュールをご案内します。
まず、このままバスはホテルにまいります。
その後、チェックインをしていただいてから、お部屋にご案内いたします。
少しお休みいただいた後、7時からご夕食となっております。
田中:
あの、ホテルで両替ができますか。
李:
はい、ご両替ができますか。
ホテルに到着後、改めてご案内させていただきます。
徳永:
私もお願いしますよ。
李:
また、車内は禁煙となっておりますので、愛煙家の皆様のご協力をお願いします。
……
李:
皆様、バスの左手前方をご覧ください。
桂林の特徴ある山々が見えてまいりました。
高速道路を出まして、バスはいよいよ桂林市内へと行ってまいります。
徳永:
おっ、すごいなあ。
ガイドブックで見た通り風景が現れてきたよ。
伊藤:
町の中にもあのような山はあるんですか。
李:
はい、ございます。
それが桂林の町の特徴でもあります。
今回の旅では桂林市のシンボルともなっております「象鼻山」、もっとも特徴的な山であります「畳彩山」を観光していただきます。
鈴木:
市内で一番高い山はどのくらいですか?
李:
桂林市内で一番高い山と申しますと、市の中心にそびえ立つ「畳彩山」です。
高さは海抜233メートルそれほど高くはありませんが、頂上に立つと市内の町並みや周辺の奇観が一望できます。
田中:
ところでガイドさん、あの大勢の人が食べているものは何ですか。
李:
あ、あれですか、桂林米粉と申します。
お米の粉で作った麺で、安くて、早くて、おいしいので人気があります。
徳永:
それにしてもたいした人気だな。
ほら、立ったまま食べている人もいるよ。
田中:
安いと言われましたが一杯いくらいのものですか。
李:
そうですね。
だいたい一杯2元ぐらいです。
田中:
2元というと…
李:
日本円では30円もしないと思います。
徳永:
日本ではラーメン一杯が…約650円だから…えーと。
田中:
ラーメン一杯で桂林米粉が20杯は食べられる勘定ですね。
徳永:
日本のラーメンが高すぎるのか、桂林米粉が安すぎるのか分らないけど、桂林米粉はまさに庶民の味だね。
田中:
ガイドさん、今度、機会があったらぜひ味見をさせてください。
李:
はい、承知しました。
ぜひご一緒しましょう。
【ガイド案内実例】
車内案内
皆様、お揃いでしょうか。
人数のご確認させていただきますから、お席にお掛けください。
はい、全員の笑顔を拝見しました。
ご協力ありがとうございます。
それでは今日の日程を、もう一度確認させていただきます。
今日は一日、市内観光を楽しんでいただきます。
鐘乳洞を中心に、山や、公園などへご案内いたします。
午前中の涼しいうちに山登りをしまして、その後、市内のレストランで昼食となります。
午後は鐘乳洞と、公園の見学を予定しています。
以上のようなスケジュールで、日程を進めたいと思いますが、いかがでしょうか。
もし何かご希望がございましたら、ご遠慮なくお申し付けください。
【関連表現】
01、車内の温度はいかがでしょうか。
暑いですか。
寒いですか。
02、車内でも快適にお過ごしいただけるように温度をコントロールしますので、必要であればおっしゃって下さい。
03、お手洗いに行きたい方は一声お掛けください。
04、車窓から中国ならではの田園風景をご覧になってください。
05、次の観光地は下車観光ですから、カメラをご用意ください。
06、お疲れの方は車内でしばらくお休みになってください。
07、ご到着しました。
貴重品をお持ちになってお降りください。
08、もうすぐ到着しますから、車が止まり次第お降りになってください。
09、この車は皆様専用ですから、大きな荷物はそのままで結構です。
10、十分ほどお手洗い休憩の時間を取らせていただきます。
11、中国は右側通行ですから、横断歩道を渡るときには十分気をつけてください。
第四課 観光名所案内
【本文】
お客様に観光名所を心から楽しんでいただくには、お客様を引き付ける話術を身につけなければなりません。
観光名所の案内は、知識的なものが元になりますが。
時にはユーモアを交えるなどの工夫が必要です。
また、観光先を見ていただく前に、自然風景や名所旧跡の情報をお客様に伝えておくことも必要です。
ばすの移動中を利用して、順序立てて分かりやすく、観光の内容、観光の所要時間、注意事項などをご案内しておきます。
お客様が一番期待されているのは観光名所の見学です。
しかし、お客様はその観光名所を研究するために来られたわけではありません。
よく数字を並べ立てて、博識ぶりを披露したがるガイドがいますが、逆に内容が難しくなってお客様が退屈してしまします。
また、細かい説明や数字的なデータは、必要がないというお客様も多いです。
ご案内には、ガイドブックには戴ってない、現地ガイドならではの情報も取り入れます。
肝心なことはタイミングよく、わかりやすく、楽しく話すことです。
観光名所の案内は下車観光案内、車窓からの案内、船からの眺めなどといろいろあります。
中でも特に車窓、あるいは船からの観光案内の場合は、時間の把握がポイントです。
例えば、桂林の漓江下りでは、目標物が見えてから話し始めるのでは遅いのです。
名前の由来、言い伝えの説明が一通り終わったところで、ちょうど目の前に目標物が見えてくるのが一番よいタイミングです。
さらに、日本のことや、お客様の興味を呼ぶことを話題に取り入れて、ご案内をすれば効果的です。
お客様の年代、性別、出身などをヒントに、臨機応変に対応できる羽術を磨くようにしてください。
マニュアルどおりのガイドをするあまりに、お客様が眠たくなってしまった話も耳にします。
ガイドのやり方は百人のガイドがいれば、百通りのやり方があります。
人のまねをするのではなく、自分の特色を生かしたガイドになるように努力をしましょう。
それには、仕事の度にふり返り、会話に工夫を加えていかなければなりません。
特に始めのうちにこの習慣を身につけましょう。
小さな努力の積み重ねが、「名ガイド」への道につながります。
【会話】
前方をご覧ください
李:
船の進行方向、前方をご覧ください。
日本の皆様に一番人気がある景色が現れてきました。
ちょうど一つの林檎でしょうか。
それでは、林檎山の左側をご覧ください。
冨士山の形をした山が見えると思います。
そうですね。
あれは皆様の大好きなおいしい富士林檎です。
ちなみに現在では、中国でも富士林檎が盛んに栽培されていて、人々に人気があります。
田中:
おお、ほんとうに林檎と冨士山みたいですね。
徳永:
それにしても、よく林檎と富士山がそろったものだね。
李:
さあ、皆さん、目を凝らしてよくご覧ください。
手前の入り立った崖には自然が織りなした青、緑、黄、白など、濃淡の入り混じった模様がありますね。
それが、一群れの馬のように見えると思います。
徳永:
うーん、一頭、二頭、三頭…あそこにも、四頭…
李:
うまく数えれば九頭の場が数えられます。
この地方の民謡では「牧夫よ牧夫、そこに神馬が何頭か数えたまえ。
七頭に数えれば榜眼になれるが、九頭を数えたら状元に受かるんだよ」と歌っています。
昔の中国では進士の首席合格者を状元、第二席は榜眼、第三席は探花と呼ばれました。
田中:
ほら、あそこにも一頭いるよ。
徳永:
えー、これで五頭だな…ほかにも…
李:
でも、たぶん皆さんは一回で九頭の馬は数えられないと思います。
まず写真を撮って、帰ってからゆっくりと数えてみてください。
写真を撮るなら、馬が九頭で「うまく」いくように撮ってくださいね。
徳永:
ははははっ、ガイドさんはうまいことを言うねえ。
李:
はい、皆様、いよいよ船は漓江下りのメインスポット興坪にさしかかります。
このあたりの風景が、漓江で最も美しい場所として、昔から多くの文人画家たちに愛されてきました。
鈴木:
あっ、あれ水牛じゃないの?
ほら、水の中を悠然と泳いでいますよ。
伊藤:
ねえ、子供たちが手を振っていますよ。
はーい、ニーハオ(你好)!
李:
そうですね。
魚を捕る人、洗濯をする人など、のどかな農村風景がみられますね。
鈴木:
ガイドさん、写真を一枚お願いできませんか。
伊藤:
私も一緒にお願いします。
李:
はい、それでは撮ります。
あぁ、まるで山水画の中に描かれた美人のようです。
伊藤:
まぁ、李さんたら、お上手ですこと、ほっほっほっほ。
李:
この先、漓江は興坪の船着場を基点に、大きく右に折れ曲がっていきます。
しばらくは、自然の織りなした風景を心行くまでお楽しみください。
【ガイド案内実例】
観光名所案内
皆様、おはようございます。
夕べはよくお休みになれましたか。
お疲れでぐっすりお休みのことと思います。
それでは今日も一日、お元気で楽しくまいりましょう。
今日はいよいよ、今回の観光のメーンとなっております、漓江下りに皆様をご案内します。
桂林山水の特色は、「山秀でいで水清く、洞窟奇抜にして美石多し」、と言われております。
また、唐代の詩人、韓愈は「江は青羅の帯をなし、山は碧玉の簪の如し」、と漓江を詠いました。
船は青い帯のように続く、漓江の流れを滑るように進みます。
船上からは、数百にのぼる、奇