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ているとてあるにっいて
目 次
目 次1
はじめに2
先行研究3
1「~てある」「~ている」の意味4
1.1「~てある」4
1.2「~ている」4
2「~てある」「~ている」の接続5
2.1自他対応のある動詞の場合5
2.2対応する自動詞がない場合5
3「~てある」「~ている」の運用8
まとめ9
参考文献10
謝 辞11
はじめに
「~ている」は自動詞と、「~てある」は他動詞と結び付きます。
両者は意味的に重なる部分がありますが、話し手の注目点が異なります。
つまり、「~ている」ではその状態だけに注目していますが、「~てある」では状態と、その状態を引き起こした行為・行為者に注目しているので、行為者が何のためにそうしたかについて一緒に述べられることが多いです。
(1)は自然のせいで、(2)は行為者の意図によって窓がどういう状態にあるかを示しています。
また、(3)は「~ている」と「~てある」の違いがよく出ています。
(1)風が強かったせいか、閉めておいた窓が開いている。
(2)空気を入れ換えるために、窓が開けてある。
準備の状況を表す「~てある」
行為者の意図を示すという性質から、「~てある」は単なる結果の状態だけでなく「準備の状況」(前もってしてある、準備がしてある)という意味を表すことがあります。
3)「準備の状況」
「~が/~を」+意志動詞(自動詞・他動詞)+てある
(4)結婚式の手配はもう、してあります。
(5)花見の会場はもう下見に行ってある。
・準備の状況・の「~てある」では、「掃除がしてある」「掃除をしてある」や(6)(7)のように、「主語+が」の形をとる場合と、・目的語+を・をとる場合があります。
(6)私の家には胃の薬がいつも置いてある。
(7)ホテルを予約してありますから、心配しないでください。
先行研究
「テアル」と「テイル」は現代日本語においては、非常によく使われる「変化の結果の状態」表現形式である。
日本語教育では、自他対応のある動詞の場合、「テアル」と「テイル」の前接する動詞の性質や表す意味の違いがよく問題にされる。
これまで、「テアル」と「テイル」との相補関係に関する先行研究には、主として、西尾(1964)、石川(1983)、益岡(1987)、山崎(1993)、原沢(2005)等が挙げられる。
「テアル」は主として意志的な行為を表す他動詞に、「テイル」はいわゆる他動詞にも自動詞にも接続するという説が一般的である。
益岡(1987)でも指摘しているように、「変化の結果の状態を表す点で、両者は共通するが、同じく変化の結果の状態を表すと言っても、テイル形は基本的に主体の変化の結果を表し、テアル形は基本的に客体の変化の結果を表すという点で、相補的である。
」
1「~てある」「~ている」の意味
1.1「~てある」
1)「~てある」(動作の状態)
「~が」+無意志動詞(自動詞)+ている
例:
「窓が開いている」「エアコンがついている」
・行為そのものではなく、その結果や変化に注目する表現である。
・人間などの意志が含まれていない場合、あるいは、自然力の影響などでできごとが起こった場合に用いられる。
2)「~てある」(結果の状態)
「~が」+意志動詞(他動詞)+てある
例:
「窓が開けてある」「エアコンがつけてある」
・行為に注目している。
・人が意志的にそのできごとを引き起こしたととらえる。
表1 「~てある」について
文型
意味
状態
1.1
~に~がVt.てある
対象の存在
結果の残存
2.4
~が~がVt.てある
行為の結果の基準時における有効性
動作の状態
1.2「~ている」
「~ている」の現した意味。
1)「~ている」(動作の状態)
「~を」+意志動詞+ている
例:
ベルを鳴らしている。
・行為そのものではなく、その結果や変化に注目する表現である。
・人間などの意志(意図)が含まれていない場合、あるいは、自然力の影響などでできごとが起こった場合に用いられる。
2)「~ている」(結果の状態)
「~が」+自動詞+ている
例:
ベルが鳴らされている。
・行為に注目している。
人が意志的にそのできごとを引き起こしたととらえる。
表2 「~ている」について
文型
意味
状態
1.1
~をVt.てある
結果や変化に注目する
動作の残存
2.4
~がVi.てある
行為に注目している
結果の状態
1.3 まとめ
「窓が開けてある」の場合は、「人が意志的にそのできごとを引き起こした」というのが含意されるのに対して、「窓が開いている」の場合は、「人間などの意志が含まれていない場合、あるいは、自然力の影響などでできごとが起こった場合に用いられる」という用法に合致した。
両者は意味的上でも、表現的上でも、「テアル」と「テイル」の差異は接続した動詞の差別から産生したのであろう。
一語と言えば、他動詞と自動詞の違いである。
一般的に言うと、「テアル」に接続する動詞は主観的な主体として客観的なものに作用をしかで、客観的なものに変化を産生させるような運動を表示した意志動詞であるため、主語が表示されている動詞との意味関係から言えば、動作の主体から作用や動作が客体へ受けることである。
言い換えれば、「~他動詞~テアル」は客観事実の状態を表すことから動作主の客体への動作と言う意味が含むのであろう。
これに対して、「テイル」に接続したのは、一般的に言うと自動詞であるため、その主語が自然的、自ずからの作用を受け、変化する主体である。
どちらも変化の結果や状態を表現であるか、また、人為的・意図的な動作・行為結果の状態を表示したのかからみれば、「テアル」と「テイル」両者は対立しているのであろう。
対応する自動詞がない場合、他動詞+ラレテイル
対応する他動詞がない場合、自動詞+サセテアル
2「~てある」「~ている」の運用対比
2.1 「他動詞+テアル」と「自動詞+テイル」
自他対応のある動詞の場合、下記の例のように同じ状況を自動詞を使っても他動詞を使っても表現できる。
(41) a.窓が開けてある。
b.窓が開いている。
自他対応のある動詞の「他動詞+テアル」と「自動詞+テイル」の意味的・表現的な違いについては既に指摘されているように、人為的・意図的行為によってもたらされた結果の状態として捉えるか、眼前の状態をもたらした原因は意識されず、状態をあるがままのものとして捉えるかの違いである。
言い換えれば、目的意思をもった行為、動作の結果が残存した状態を、単なる状態として捉えるか、あるいは目的のある状態として捉えるかの違いである。
即ち、この二つの表現の違いは、同一の状態を表現する視点の違いにあるのではないかと思われる。
例えば、(41)a.の「窓が開けてある」は誰かが何らかの意図・目的で窓を開けた結果、現在窓が開いている状態であると解釈されるが、(41)b.の「窓が開いている」にはそのような意図性は含まれていない。
風によって窓が開いた場合でも「窓が開いている」と言えるが、「窓が開けてある」とは言えない。
下記の(41)のように、(41)の例文a.とb.の前に、「空気を入れかえるために」という目的・理由を表す表現を入れると、「他動詞+テアル」の方は適格であるが、「自動詞+テイル」の方は不適格文となってしまうことがわかる。
a.空気を入れかえるために、窓が開けてある。
b.空気を入れかえるために、窓が開いている。
「窓が開けてある」と「窓が開いている」は共に、窓が開放状態にあることを言っている。
しかし、「空気を入れかえるために、窓が開いている」とは言えない。
「空気を入れかえるために、窓が開けてある」でなければならない。
このことは、この「開けてある」も、目的意思のある状態を示していると言えるだろう。
2.2「他動詞+テアル」と「他動詞+テイル」
前節で「テイル」は他動詞にも自動詞にも接続すると述べた。
「テイル」はアスペクトを表す代表形式で、既に数多くの研究がなされており、「他動詞+テイル」が「結果の状態」を表す条件として次のような点が指摘されている。
まず、前接する他動詞が客体に状態変化を生じさせるような「状態変化性」という意味特徴を持っていることである。
更に、継続動詞の場合はその事象が発話時点において偽であるという文脈でなければならない。
以下は「結果の状態」を表す例である。
(43)車の外側をピカピカに磨いているばかりでなく、内装も日本人は凝っています。
たいていの車は座席にカヴァーをかけていますよね。
(千葉敦子『ちょっとおかしいぞ,日本人』)
例文(43)の「磨く」は継続動詞であるが、「ピカピカ」という結果の副詞と共起して、発話時点において「磨く」という動作が行われていないということがわかるので、「結果の状態」を表している。
上記の例文は「テアル」文に言い換えられる。
以下に同じ動詞を使った「他動詞+テアル」と「他動詞+テイル」の文で、言い換えが可能な例を挙げておく。
(44)a.パンも最高級品を置いてあるから、サンドイッチもうまい。
b.私が気にいったもう一つの理由は、当時の高級酒場には珍しくサントリーのオールドを置いているからだった。
(山口瞳『酒呑みの自己弁護』)
上記の各例文を見ても分かるように、「テアル」文と言い換えられる「テイル」文の特徴は動作主が文中に示されていないということである。
これは「テアル」文が動作主と共存しないという文法的制約から当然考えられることである。
また、「テアル」文の特徴として客体が「を格」で示されているという点が挙げられる。
ところで、「テイル」が結果の状態を表すのは自動詞に付く場合が普通である。
他動詞の場合は動作主が客体への動作?
作用によって、結果的に変化を受ける受動者たり得る再帰的用法が中心である。
この再帰的用法の場合、他動詞構造でありながら他動性は弱く自動詞文に近いということは、しばしば指摘されるところである。
「結果表現」は動作?
作用の行われた結果の状態を表す表現であり、その結果の状態を表わしている場面には動作主は存在しない。
しかし、典型的な他動詞文は動作主(人)と客体(物)を必須成分とし、動作主の客体に対する能動的?
意志的な働きかけを表すため、「他動詞+テイル」はこの節の冒頭に挙げたような条件がなければ、「動作の継続・進行」という意味に解釈されやすい。
「他動詞+テイル」にはこのような制約条件があるため、日本語の「結果表現」は基本的には「他動詞+テアル」と「自動詞+テイル」または「他動詞+ラレテイル」が担っていると言ってもよいであろう。
まとめ
こうしてみると、ある状態が目的意思を持った行為の結果によってもたらされたものであっても、単に、それを「出来事」としてのみ捉えるなら、「自動詞+テイル」が使用され、その状態が「人の意思」の支配下にあると見れば、「他動詞+テアル」が使用されるのではないかと思われる。
つまり、一つの状態を、どのような観点から見るかが重要な点であると思われる。
「開けてある」の場合は、前提としての動作・行為が含意されるのに対して、「開いている」の場合は、原因となる動作・作用の側面は捨象されている。
このような意味的・表現的な違いは「テアル」と「テイル」に接続する動詞の違いから生じているのである。
つまり、他動詞と自動詞の違いである。
参考文献
[1].大場美穂子.「~てある」について.東京大学言語学論集,1996
[2].鬼山信行.「している」の意味.文教大学国文,1989
[3].金子比呂子.「~としている」の機能について.東京外国語大学論集,1994,38
[4].紙谷栄治.「ている」について.語文.大阪大学国語国文学会,1979
[5].金田一春彦.国語動詞の一分類.言語研究.東京:
むぎ書房所収,1950
[6].工藤真由美.ことばの科学3.言語学研究会編.東京:
むぎ書房,1989
謝 辞
本論文は指導教官のご指導のもとで完成されたものでございます。
先生は論文の全体構成から細部まで終始懇切丁寧なるご指導を賜りいただきました。
論文の完成にあたって、謹んで謝意を申し上げます。
また、「要旨」の修正をする際に先生から貴重な意見を賜りいただきまして、ここで感謝させていただきたます。
四年間の大学生活においては、先生からいろいろなご指導を賜りいただきまして、ここで心から深く感謝の意を表せていただきたいと思います。