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第十三课高龄化

会話

老いてますます盛ん

上海、森家。

森の両親が2週間の滞在予定で中国を訪れている。

休日、健太郎と緑が両親を連れて上海市内を観光する。

その帰り道で。

森の父:

いやあ、上海博物館はすごい。

見ごたえがあったなあ。

森の母:

そうですねえ。

ほんと、すばらしかったわ。

健太郎:

親父(おやじ)は昔から、景徳鎮とか書とか、好きだったもんなあ。

緑:

でも、お義父さんも、お義母さんも、1日中立ちっぱなしで、疲れたんじゃないですか。

森の母:

あら、わたしはまだまだ歩けそうよ。

緑:

お義母さん、体力ありますねえ。

森の母:

まあね。

最近毎日スイミングクラブに通ってるから。

体力には自信あるのよ。

緑:

そうなんですか。

森の母:

お父さんは最近ね、あれよ。

「そば打ち」。

緑:

えっ?

森の母:

地域に「そば打ちサークル」っていうのがあってね、すっかりそば打ちにはまってるの。

緑:

へえ。

森の母:

定年まで台所に立ったこともなかったのに、今じゃあ、お昼ご飯はたいてい、お父さんの打ったそばなのよ。

信じられないわ。

森の父:

信じられないってことないだろう。

それに、最近はね、器にもこだわってるんだよ。

緑:

いいですねえ。

森の父:

今度帰国したら、緑さんにも打ちたてをごちそうするよ。

緑:

楽しみにしてます。

健太郎:

そうそう、明日は?

どうするつもり?

森の母:

明日は、お父さんと2人で外灘を見物するわ。

だから、お構いなく。

健太郎:

大丈夫かよ。

森の母:

何言ってるの。

いつも2人で海外旅行してるんだから。

大丈夫よ。

新出語彙1

おいる(老いる)[动自2]老,年老

シャンハイはくぶつかん(上海博物館)[专]上海博物馆

みごたえ(見ごたえ)[名]观赏价值

けいとくちん(景徳鎮)[专]景德镇

しょ(書)[名]书法

おとうさん(お義父さん)[名]公公,岳父

スイミングクラブ[名]游泳俱乐部

そばうち[名]手擀荞麦面条

はまる[动1自]上心,热衷;陷入,掉进

うつわ[名]器皿,器具

おいてますますさかん(老いてますます盛ん)

老当益壮,“老いてますます盛んなるべし”的缩略形式

たちっぱなし(立ちっぱなし)一直没坐下,一直站着 

うちたて(打ちたて) 现擀,刚擀好

おかまいなく(お構いなく)不张罗,别费事

课文

特集第2の人生   中中新聞

(注:

原文为竖排版的报纸,为便于阅读输入为横排版。

やりがいを感じて

会社員岡田節子

(東京都世田谷区 62)

メーカーに勤めていたわたしは、2年前に定年を迎えました。

しかし、そのまま会社に残り、今でも仕事を続けています。

わたしの会社では、2006年から、定年を迎えた社員も、給料は下がるが65歳まで継続して働けるという制度を導入しました。

いわゆる「再雇用制度」で、契約は1年ごとです。

わたしも、この制度を利用して2年目になります。

定年時は製品管理の部長でしたが、今は、嘱託として、新人の指導係をしています。

現役を退いたとはいえ、これまでに培った経験をいかんなく発揮できて、とてもやりがいを感じています。

今でも若いスタッフとともに働きながら、自分の経験を伝えていける職場があるだけで、こんなうれしいことはありません。

現役時代は、中間管理職としての責任が肩に重くのしかかり、毎日残業することも当たり前でしたが、今は、気持ちにも時間にも、とてもゆとりがあります。

考えようによっては、現役のころより充実した毎日を送っているといえるかもしれません。

でも、「再雇用」は、あと1年だけで終わりにしようと思っています。

そろそろ、読書三昧の日々もいいかなと思い始めています。

趣味が高じて

自営業 加山新司

(埼玉県所沢市 65)

昨年そば好きが高じて手打ちそばの店を出しました。

住宅街にある拙宅を改装した、5人で満席になるような小さな店です。

お客さんは、毎日、平均2、3人。

開店休業という日もありますが、口コミだけなのだから仕方ありません。

でも、わたしは満足です。

たとえ1人だけでも、わたしが打ったそばを食ベに来てくれる人がいれば。

店は、わたし1人で切り盛りしています。

妻は陶芸が趣味で、20年以上も続けています。

店で使う器はすべて妻の作品です。

お客さんの中には、そばよりも器を気に入って、だれが作ったのか尋ねる方もいらっしゃいます。

正直ちょっと寂しいですが、でも、「妻の作品です」と答えるのは、まんざら悪い気もしません。

ただ、妻からは、「器に合ったおそばを打って」と注文が入りますが。

わたしは地方公務員でしたが、勤め始めて間もないころから、昼飯はいつも役所の近くのそば屋でした。

休日ともなると、1日に4、5軒も食べ歩いていました。

そんなある日、長野県の安曇野で出会ったそばに魅了され、「食べ歩きだけにしておけば」という妻の忠告をよそに、住み込みで修業までするに至ったのです。

趣味が高じて始めたそば屋ですが、器に合ったそば打ちに日々腕を磨いています。

自然に任せ、環境に合わせて

無職 松下綾

(千葉県鴨川市 58)

起床は朝4時。

顔を洗い、作業服に着替えて畑に出る。

夜明け前の畑は人影もなく、空気が澄んでいて清々しい。

今は、市場に出荷するトマトとキュウリの栽培に精を出している。

収穫は多くはない。

夫と2人暮らしなので、自分たちで食べる分を除いて出荷している。

天候に左右されることはあるが、野菜は手をかければきちんと期待に応えてくれる。

だから、手抜きなどできないトマトが朝日を浴びてみずみずしく輝いている様を見ると、なんとも言えぬ充実感に満たされる。

3年前に東京から移り住んで、畑を借りて野菜を作り始めた。

土に触れることはとても健康にいい。

まるで土から「気」をもらっているようだ。

野菜作りにかける手間はおろか、早起きも全く苦にならない。

朝は自然に目が覚める。

朝食もおいしい。

以前は、朝食を抜くことが多かった夫だが、今では考えられないと言っている。

ご飯にみそ汁、漬物と納豆。

それに取れたてのトマトとキュウリ。

適度な労働の後の食事は、おかずなど少なくてもかまわない。

今は、自然に任せ、環境に合わせて毎日を過ごしている。

これが、人間本来の生き方であると思えてならない。

定年退職した夫が言い出して仕方なしについてきたわたしだが、今ではすっかりこの生活が気に入っている。

投稿募集

本文500字程度。

住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記し、中中新聞本社「投稿」係へ。

匿名、二重投稿はご遺憾〈ださい。

2012年(平成24年)8月21日(火)特集第2の人生

新出語彙2

とくしゅう(特集)[名]专刊,专辑

せつこ(節子)[专]节子

メーカー[名]厂商、制造商

こよう(雇用)[名·サ变他]雇佣、雇用

げんえき(現役)[名]第一线、现役、应届

しりぞく(退く)[动1自]退职、离开、倒退

いかんなく[副]充分、完全

はっきする(発揮~)[名·サ变他]发挥、施展

ちゅうかん(中間)[名]中间

かんりしょく(管理職)[名]管理人员、管理岗位

ちゅうかんかんりしょく(中間管理職)[名]中层管理者

のしかかる[动1自]压在……上

ゆとり[名]优裕、宽裕、余地

こうじる(高じる)[动2自]加甚;加重;剧烈化

じえいぎょう(自営業)[名]个体经营者

かやま(加山)[专]加山

ところざわ(所沢)[专]所泽

てうち(手打ち)[名]手工做面条;(拍手)成交

じゅうたくがい(住宅街)[名]住宅区

せったく(拙宅)[名]寒舍、舍间

まんせき(満席)[名]满客、满席

かいてんきゅうぎょう(開店休業)[名]开门停业、一整天没客人上门

たとえ[副]即使;哪怕

きりもり(切り盛り)[名·サ他]打理、处理、料理

とうげい(陶芸)[名]陶艺

まんざら[副](并非)完全、(未必)一定

ひるめし(昼飯)[名]中午饭、午餐

やくしょ(役所)[名]公署、政府机关、官署

たべあるく(食べ歩く)[动1他]各处品尝

あづみの(安曇野)[专]安曇野

みりょうする(魅了~)[名·サ变他]使入迷、夺人魂魄

ちゅうこく(忠告)[名·サ他]忠告、劝告

すみこみ(住み込み)[名]住宿学徒、住宿佣工

しゅぎょう(修業)[名·サ他]修炼、修业、学习技术

むしょく(無職)[名]无职业者、无职业

まつしたあや(松下綾)[专]松下綾

かもがわ(鴨川)[专]鸭川

さぎょうふく(作業服)[名]工作服

よあけ(夜明け)[名]黎明、佛晓

ひとかげ(人影)[名]人影

すがすがしい(清々しい)[形1]清爽

いちば(市場)[名]市场、集市

せい(精)[名]精力、劲头

てぬき(手抜き)[名1]偷工减料

あさひ(朝日)[名]朝阳

みずみずしい[形1]水灵、娇嫩

さま(様)[名]样子、状态

なんとも[副]怎么也、什么也

みたす(満たす)[动1他]充满、填充

うつりすむ(移り住む)[动1自]移居、搬家

てきど(適度)[名·形2]适度

とれたて(取れたて)新摘、刚摘

しかたなしに(仕方なしに)无可奈何

わるいきがしない(悪い気がしない)不觉得难受

ちゅうもんがはいる(注文が入る)(有人)提出要求

うでをみがく(腕を磨く)磨练本领

せいをだす(精を出す)坚持工作、努力干活

てをかける(手をかける)精心照料

てまをかける(手間をかける)搭功夫、费事

くになる(苦になる)感到负担、伤脑筋、苦恼

~三昧(ざんまい)聚精会神、破除杂念

第十四课政治

会話

立候補のうわさ

上海。

JC企画上海支社·支社長として勤務する森健太郎のもとに、元同僚の今井から電話がかかってくる。

衆議院議員選挙に立候補するという今井のことを、オフィスで部下の山田と話す。

健太郎:

山田君、今井君って知ってる?

山田:

ええと…、営業部にいた今井さんのことですか。

健太郎:

そう。

あの今井君。

山田:

知ってますよ。

でも、たしか1年ぐらい前に辞めたんじゃなかったですか。

健太郎:

そうそう。

その今井君が、何と今度の衆議院議員選挙に立候補するって。

山田:

ええっ!

議員に立候補?

何でまた?

健太郎:

いやあね。

何でも大学の先輩が議員をやってて、それで、彼は大学のころからボランティアで選挙の手伝いをしてたらしいんだよ。

山田:

ああ、確かにそういう話、聞いたことあります。

健太郎:

で、そのころから政治に対する熱い思いがあったんだってさ。

当選すれば、純粋で情熱的な人だから、すばらしい政治家になるんじゃないかな。

山田:

ぼくの身近から政治家が誕生するなんて、驚きました。

政治家って、世襲とか元官僚がなるもんだとばかり思ってましたから。

健太郎:

おいおい、まだ当選したわけじゃないんだよ。

それに、世襲とか、元官僚がなるというのもおかしな思い込みだよ。

この前、現役の女子大生が町会議員に立候補して、当選したことがあっただろう。

山田:

そうでしたね。

被災した町をなんとしても復興したいという思いで立候補したんですよね。

それにしても、支社長、今井さんが立候補するって、どうして分かったんですか。

健太郎:

どうしても何も、昨日、本人から直接電話がかかってきたんだよ。

よろしくお願いしますって。

山田:

へえ。

それこそ「清き一票をお願いいたします!

」っていうやつですね。

健太郎:

当選したら国会議員。

JC企画から政治家かあ…。

想像しただけでもわくわくしてくるよ。

新出語彙1

いまい(今井)[专]今井

てつだい(手伝い)[名]帮忙、帮助

とうせんする(当選~)[名·サ変自]当选

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